
ブエノスアイレスに着いたとき、
えかきのポケットには、たった30ドルしか入っていなかった。
真夏の街の喧騒と熱気の中で、
不安そうにしてもおかしくない状況だ。
けれど不思議なことに、
その話をする彼の顔には、少しの困った様子もない。
むしろ、目を輝かせ、楽しそうに語るのである。
その様子を見て、私は思った。
彼がこの街に持ってきたのは、お金ではなく、
絵という希望と情熱そのものだったのだ、と。
人生には、たとえ手元にお金がなくても、
自分の信じるものや夢を抱えて進む力がある。
彼の姿は、それをそっと教えてくれているようだった。
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「好きなことをしながら生きる」
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