記者とは?記者が頼りにするのは、あのれの腕であると本田靖春は言う

 

 

66年生きてきて何人の記者との出会いがあっただろうか?

絵かきの妻なので作品展や今の画廊喫茶テレレのことで取材を受けたことは多々ある

 

 

本田記者にはお会いしたことはないけれどこの本のタイトルに魅かれて買ってみた

そして読んでみた

やはりえかきに似ているのではと思った

拗ね者、そうなんです、、、頑固で絶対譲らない、いいのか悪いのかと考えさせられる

 


水彩画
小川憲一豊実描く

 

新聞記者という種族も、筆が立たないことには話にならないそう

だから世渡りにかける時間があったら、ペンを磨く、それが当たり前であった

新聞には「殺し三年、火事八年」と言う格言があってちゃんとした記事が書けるようになるまでにはその程度の年月がかかるとされていた

どんな大会社でも5年もすれば主任とか係長とかの役がつく

だが新聞社は社歴十年を超えても平で一人前のかおをさせてもらえないよう

それが通り相場であった

その点読売は名門ではないだけに、格式とかしきたりとかにとらわれることなく、あくまで仕事本位で若手の抜擢が戦力的に行われた

生意気になれ、生意気になれと育ててくれた読売社会部

 

本田さんは世のため人のためにいささかでも役に立ちたいという気持ちから、新聞記者という職業を選んだのだそう

 

世のため人のためといった気風がいまやこの日本で終息してしまいそうに思えてならないそう

お互い人間社会に生まれついたのだから、社会性を身に備えなければならないことはすごく当たり前のこと

この部分は特に気に入った  ”かって、私たちは、ひとしく貧乏人であった

でもお仲間のほとんどは、成り金に変貌してしまった

貧乏人の立場からしか見えないものがいっぱいある”

本田さんは誇りを持って、貧乏人の孤塁を守る

間違っても、成り金の中間入りはしないと言った

 

日本人の今は自分さえよければいい、という身勝手さに、この国は染め上げられている

敗戦の焦土の中にいて、人びとはいまとは比較にならないほど優しかった

それはあまねく貧窮のどん底をくぐって生きることの切実さが身に染みていたからではなかったか

だからこそ、他人の悲しみや苦しさにも、見て見ぬ振りはできなかったということであろう

本田記者のアドバイスは

もし本田さんが社長なら学校の成績なんか少々悪くても、新聞記者という仕事が好きで、何としてでも新聞記者になりたい、と考えている青年を、採用する

小悧巧な人間は、宮庁でも、銀行でも、損保でも違うせかいに進めばいいと

本人もず~と新聞記者で人生を終わりたかったのでしょうが状況がそうさせなかった

ノンフィクションライタ~なぞになりたくてなったのではないそう

      好きこそ物の上手なれ

楽しんでやることによってうまくなるものであるということ、又は、あることに熟達するには、それを楽しめるようになることが肝要であるということ

 

本田さんは正真正銘の日本人であるが”祖国を愛することにかけては人後に落ちないつもりだ”が、どうしても好きになれない国民性が日本人にはある

それは、自分の考えをはっきりいわないことである

 

えかきのつまは血は日本人に変わりはないのだがアルゼンチン生まれ育ちもまた日本人がはっきりしないことには慣れないのである

コ-ヒ-と紅茶、どちらがよろしいいでしょうか?と聞いてもう~んとかはいと返答される人には、どっちですかと言いたくなる

何を聞いてもそうである  なれませ~ん

      触らぬ神に祟りなし

はまだいい方で

 

        物言えば唇寒し

とか

          言わぬが花

とか

        長い物には巻かれろ

とかいった格言や諺がそういう国民性を表しているように本田さんは思うらしい

 

世俗的な成功より、内なる言論の自由を守り切ることの方が重要であったと

本田記者は格好いいなぁ~とつくづく感じる

「私は気の弱い人間である  いささかでも強くなるためには欲を持つな」ということらしい

欲に第一に挙げられるのが金銭欲、それに次ぐのが出世欲、それと背中合わせに名誉欲というものがあるが、これらの欲を持つとき、人間はおかしくなる

全部断ってしまえば怖いものなしになるではないか、、、いかに本田さんらしい単純な発想だが、本人としては大真面目であったと

個々の生き方があるがしあわせだなぁ~と感じる瞬間があればいいと思う

人生は色々ありだから、毎日良い事ばかりではないし、うれしい日、悲しい時、辛い時、泣きたくなる瞬間もあるので

 

小川(松ノ下)マリアイネス拝

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