夏が近づく八十八夜 — A型の絵描きにはできても、B型の妻にはちょっと難しいこと
日田にて懐かしい思い出になっている

八十八夜――

春の終わりと夏のはじまりの境目に、

私たちはそっと立っています。

柔らかな日差しの中、えかき(夫)の手は

茶の新芽を丁寧にすくい上げ、

まるで命を抱くかのようにそっともみます。

私はその隣で、

同じようにはできない自分を思いながらも、

胸の奥が満たされるのを感じます。

向き不向きなんて関係ない。

大切なのは、

この瞬間を共に生き、季節の息遣いを分かち合うこと。

新茶の香りが私の胸に広がると、

過去の思い出も、遠くの笑い声も、

すべてがそっと重なり合います。

私たちの時間は、静かに、

でも確かに流れていきます。

🌿 

八十八夜が近づくと、

えかきは毎年、お茶摘みに出かけます。

瀬戸内の風が頬をなで、

茶の新芽が光を浴びて輝く――

そんな季節です。

えかきは、茶葉を摘み、もみ、炒って、

一年分のお茶を丁寧に作り上げます。

それは単なる作業ではなく、

自然と向き合い、心を整え、

手の中で生命を感じる時間です。

私には、こうした細やかな手仕事は少し大変で、

どうやら A型気質の人の方が向いている ようです。

でも、えかきの淡々と楽しげな姿を見ていると、

私も少し勇気が湧きます。

向き不向きはあっても、

一緒に過ごす時間や、

共に季節を感じる瞬間の尊さには代えられません。

出来上がったお茶の香りをかぐと、

自然と心が満たされ、

日々の小さな喜びや、

過去の思い出がひとつひとつ蘇ります。

えかきと私が紡ぐ日々は、

こうして季節とともに、

静かに美しく重なっていきます。

🌿

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