一年中、同じ飲み方をする人がいる。
夏でも、ホットコーヒー。
冬でも、アイスコーヒー。
そんな話を聞くと、
人それぞれだなと思う。
でも、私の知り合いには、
まったくコーヒーを飲まない人がいる。
70歳になるその人は、
これまで一度もコーヒーを飲まずに生きてきた。
理由を聞いたとき、少し驚いた。
「母に、大人になったら飲まないものだと言われたから」
ただ、それだけの理由だった。
子どもの頃に言われた言葉を、
そのまま今も守り続けている。
70歳になった今も、変わらずに。
それを聞いたとき、
不思議な気持ちになった。
大人になるとは、何だろう。
自分で選ぶことなのか、
それとも、教えられたことを守ることなのか。
コーヒーを飲むか、飲まないか。
そんな小さなことにも、
その人の生き方が見える気がする。
変わる人もいれば、
変わらない人もいる。
どちらが正しいわけでもない。
ただ、その人はその人なりに、
ずっと同じ道を歩いてきたのだと思う。
ふと、考える。
私はどうだろうか。
気づかないうちに守っている言葉や、
知らずに選んでいる習慣があるのかもしれない。
コーヒー一杯の話から、
そんなことを思った。